はじめに
Amazonで商品を出品する際には、事前に理解しておくべき費用や手数料がいくつか存在します。
本記事では、Amazonの出品にかかる4種類の費用・手数料と、カテゴリー成約料と大量出品手数料について詳しく解説していきます。
Amazonの出品費用・手数料は4種類
Amazonでの出品に費用・手数料がかかるのは、以下の4つです。
- 出品プランの費用
- 販売手数料
- 配送料
- その他の費用・手数料
これらの費用は、初期費用に加えて運営中にも継続的に発生します。
①出品プランの費用
Amazonでは、出品者のニーズに応じて「大口出品プラン」と「小口出品プラン」の2種類の出品プランを提供しています。
大口出品プラン
大口出品プランには、以下のような特徴があります。
- 月額4,900円(税別)の固定費がかかる
- APIやレポートなどの詳細な出品用ツールが使用可能
- ショッピングカートボックスの利用資格を獲得できる
- 商品の広告を出せる
- Amazonカタログにない商品の新規登録・出品ができる
- 出品者側で配送料を設定できる
大口出品プランは、多くの販売を見込んでいる方に適しており、月に50点以上の商品を販売予定の方には特におすすめ。
また、自社ブランド商品を出品したい方にも最適です。
小口出品プラン
小口出品プランには、以下のような特徴があります。
- 月額料がかからない
- 商品が売れるたびに基本成約料が100円かかる
- 49点以下の少数販売に適している
- 出品に制限がある
小口出品プランの手数料は商品が売れた時にのみ発生するため、少量の販売や出品する商品を決めていない方に最適です。
②販売手数料
Amazonで販売する各商品には、カテゴリーに応じた販売手数料が発生します。
以下が、主なカテゴリーごとの販売手数料の例です。
- 本:15%
- CD・レコード:15%
- エレクトロニクス(AV機器&携帯電話):8%
- カメラ:8%
- パソコン・周辺機器:8%
- 楽器:10%
- スポーツ&アウトドア:10%
- TVゲーム:15%
- 文房具・オフィス用品:15%
- 大型家電:8%
販売手数料は商品が売れるたびに発生し、カテゴリによって異なる割合が適用されます。
詳細な手数料率はAmazonの公式HPで確認してください。
③配送料
Amazonの配送料は、フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用するか、自社で発送するかによって異なるため、それぞれの具体的な違いについて詳しく説明します。
FBAを利用する場合の費用
Amazonが出品者に代わって商品の在庫管理、梱包、出荷、カスタマーサービス、返品処理などの配送業務を担当するサービス。
FBAを利用することで、出品者は配送業務を一切行う必要がなく、在庫保管スペースやコストを削減することが可能です。
FBAを利用する際には、以下の手数料がかかります。
- 在庫保管手数料:Amazonの倉庫に商品を保管するための費用
- 配送代行手数料:商品のピッキング、梱包、配送にかかる費用
- 返送/所有権の放棄手数料:返品された商品の返送や廃棄にかかる費用
- 長期在庫保管手数料:長期間保管されている商品の追加手数料
- 納品不備受領作業手数料:納品に不備があった場合の追加費用
- 購入者返品手数料:購入者が返品した際の手数料
自社発送する場合の費用
自社発送の費用は、大口出品と小口出品によって異なります。
・大口出品の出品者:自社で配送料の設定が可能
・小口出品の出品者:Amazonが設定した配送料を全商品に適用しなければならない
小口出品の場合、配送にかかるコストがAmazonの定めた料金を下回る場合は利益となりますが、上回る場合は出品者が差額分を負担する必要があります。
小口出品に適用される日本国内の配送料は、以下の通りです。
- 本:262円
- CD、レコード:356円
- ビデオ:398円
- DVD:356円
- TVゲーム:356円
- PCソフト&コンピューターゲーム:356円
- おもちゃ&ホビー:524円
- ドラッグストア:524円
- ベビー&マタニティ:524円
- その他のカテゴリー:472円 + 53円(1kgあたり)
④その他の費用・手数料
Amazonでの出品には、上記以外にも以下のような費用がかかる場合があります。
返金処理手数料
一度購入された商品が返品された際に適用される手数料。
返金処理の際には、Amazonがユーザーに商品の返金を行い、出品者の支払った販売手数料が返金されます。
その際に返金処理手数料として、500円または販売手数料の10%の金額の小さい方が、返金される販売手数料から差し引かれるのです。
販促費用
Amazonでの売上を拡大するには、商品を多くのユーザーに知ってもらうための販促費用が必要です。
販促費用としては、以下のようなものが挙げられます。
- 広告費
- クーポン
- ポイント
①広告費
Amazon広告は、商品の販売促進に効果的です。
Amazon内で出稿できる広告は、以下の3種類あります。
・スポンサープロダクト広告
・スポンサーブランド広告
・スポンサーディスプレイ広告
②クーポン
クーポンが利用されると、一回あたり60円の引換手数料が発生します。
③ポイント
Amazonポイントは、購入時に付与され、1ポイント1円として使用可能です。
ポイントを設定すると、売上合計額からポイント分を引いた額に対して販売手数料が適用されるため、販売手数料の削減効果も期待できます。
カテゴリー成約料と大量出品手数料
続いて、カテゴリー成約料と大量出品手数料について説明していきます。
カテゴリー成約料
特定の商品カテゴリー(例えば本やCDなどのメディア商品)を販売する際に適用される固定手数料。
小口出品も大口出品も関わらず、これらの商品を売るたびに、以下のような成約料が発生します。
- 本:販売手数料15% + 固定80円
- CD・レコード:販売手数料15% + 固定140円
- DVD:販売手数料15% + 固定140円
- ビデオ(VHS):販売手数料15% + 固定140円
大量出品手数料
大量の在庫を管理する際のカタログ管理コストを補うためのもの。
200万SKUを超える出品者には、その超過分についてSKUごとに0.05円の月額手数料が課せられます。
ただし、最初の200万件は手数料が免除されます。
おわりに
これらのコストを少し意識するだけで、純利益の金額が大きく変わってきます。
Amazon物販に限らず、利益を残して長くにビジネスしてる人の共通点は、こういったお金の管理ができているという点です。
しっかりと管理することが、Amazonでの成功には不可欠となります。
プラン選択から各種手数料の計算、配送オプションの選定まで、全てのステップでコスト意識を持つことが重要です。
また、販売戦略を立てる際には、これらの費用を商品価格に反映させることで利益を確保しつつ、購入してくれるお客さんがリピートしたくなるようなAmazonショップの運営を意識していくことが何よりも必要となります。