問屋取引の基礎知識
以下の内容は問屋さんと取引をはじめて、長く付き合い、よりよい関係を築くためのマニュアルとなっています。すべて、ぷぅの実体験をもとに書いたものです。
今回は問屋取引の基礎知識です。それぞれ参考にしていただき、堅実なamazon物販「問屋×物販」のはじめの一歩を踏み出してください。
個人事業主でも問屋と取引できるか
問屋は個人でも取引できます。ただし最低限、税務署に開業届を出して「個人事業主」として取引を始めてください。
※問屋から「開業届」の提出を求められることがあります。
世にあるネットショップは個人事業主が運営しているショップが多くあります。
「個人では問屋と取引できない」と、思い込みや決めつけで壁を作ってしまうのは非常にもったいないことです。このマニュアルを参考に、あなたも「問屋取引」の第一歩を踏み出しましょう。
問屋のメリットとデメリット
メリット
- 多数のメーカーの商品を扱うことができる
- ネットショップで買えない、もしくは安く買えない商品を仕入れることができる
- 長く取引を続けると掛率を安くしてくれたり、掛け売り(後払い)にしてくれたりする
- 新商品の情報をいち早く入手できる
- メーカー叩き売り商品を安く仕入れることができる
- 一つの問屋と取引できると、ほかの問屋にも信頼され、どんどん開拓できるようになる
デメリット
- 取引成立までの心理的ハードル(メール、電話、訪問)がある(これは参入障壁というメリットにもなります)
- ロット数(入数)に縛りがあり少量で仕入れることができないことがある
- 初期は現金先払いが多いため、資金に余裕がないと難しい(銀行や金融公庫から借り入れが必要)
- 人付き合いが必要になる
取引交渉にあたって準備するもの
【屋号】
○○ネットショップ、○○市場などの屋号を決めましょう。その分野の専門っぽい名前の方が良いです。
【事業用メール】
○○_netshop@gmail.comなど事業者名を入れたメールアドレスを作る。できれば独自ドメインのメールを作りましょう(例→https://muumuu-mail.com/)。
【事業用電話番号】
無料で事業用の電話番号を作る。受信無料のSMARTalkが便利です。
【事業用FAX番号】
インターネットファックスなどで事業用のFAX番号を作る。問屋はいまだにFAXを使うところがあります。
※月額1500円のeFAXが便利です。
【事業用ホームページ】
無料で店舗紹介のホームページ(コーポレートサイト)を作る。
Wixなどで簡単に作ることができます。できれば独自ドメイン(rakuchin.comなど)で作ったほうが良いですが難しければ無料で良いでしょう。
「初心者 コーポレートサイトの作り方」で検索すると作成方法を紹介するサイトがたくさん出てきます。
【事業用ロゴ】
名刺やホームページ用にロゴを作る。
ロゴタンクで独自ロゴと名刺をセットで作ってもらえます。
【事業用名刺】
打合せや展示会に出向いたとき用に事業用の名刺を作る。
ロゴタンクで独自ロゴと名刺をセットで作ってもらえます。
【事業用プレート】
ロゴを入れた事業用のプレートを作る。
なぜか問屋取引開始時にプレートの写真が必要だったりします。楽天などで作れます。
業界用語を知る
【上代】
定価(メーカー希望価格)
【下代】
卸値(仕切り値)
【オープン価格】
定価(メーカー希望価格)が設定されておらず、ネット相場などの価格
【掛率】
定価(上代)に対する卸値(下代)の割合。定価1000円で卸値600円ならば6掛けとなります。
【ロット】
問屋やメーカーから鉛筆1本だけを仕入れることはできません。20個、50個、200個づつ仕入れる必要があります。これをロットと言います。ほかにひと箱(24個)の場合「入数」24と言われることもあります。
【注残】
納期が遅れている注文の残数
【入数】
商品が1ケースに入っている数
【発注単位】
発注するケース数の単位(入数10、発注単位2で20個)
【元払い】
送料の負担先です。元払いの場合、問屋が送料を負担するということになります。実際は着払いが多い。
【発注書】
問屋取引はネットでポチ、はできません。商品名、入数、注文単位を書いた発注書を利用します。
【口座】
問屋が取引先のデータを登録することを「口座を開設する」と言います。
【掛け売り】
月末締めの翌月末払いなどクレカなどのような売り方をしてくれることがあります。これを「掛け売り」と言います。
後払いは自己資金が少なくて済むため有効ですが、信用のない最初の取引から掛け売りとしてくれることはマレです。
【客注】
客から注文があった商品。在庫がない状態で発注された商品は「客注商品なので大至急お願いします」となります。
【メーカー直送】
問屋が自分の倉庫から商品を送らず、メーカーから発注者へ直接発送することを言います(値引き対象)。
【倉出(くらだし)】
問屋が自分の倉庫から商品をピッキングして発注者へ発送することを言います。多くは送料が発生します。
メーカー、問屋、商社の違い
メーカーはソニーやパナソニックなどのメーカーがメーカー製品だけを売ります。問屋は、ソニーやパナソニック、シャープ、東芝、日立、様々なメーカーの製品を売ります。
商社は輸出入や投資を行う業者です。問屋の元締め一次問屋もこの類に入ることがあります。
商社や一次問屋は「個人」を相手にしてくれません。大きければ良いということではないので、小ぶりな二次問屋を探しましょう。
モノの流れを知る
商品の流れは次のようになっています。
メーカー(製造者) → 商社(一次問屋) → 問屋(二次問屋) → 小売り(販売者) → 消費者
小売が狙うべきは問屋(二次問屋)です。メーカーや一次問屋から仕入れても、ロットが多すぎるうえ、二次問屋より安くしてくれないことも多々あります。
次回は
今回は問屋取引の基礎知識を紹介しました。次回は問屋の探し方と取引を成功させるコツをお伝えします。