私の過去の経験から値引き交渉を成功させた事例を紹介します。
1.長く付き合う
この「長く付き合う」は当たり前のことですが、とても重要です。
取引を始めて間もない信用もできない人間に「いきなり安く」なんて売ってくれません。
値引き交渉のタイミング
1年、最低でも半年以上の付き合いを経て、問屋との取引がスムーズになってきた頃、相手にもこちらの「存在感」が増してきます。そうなってくると、電話をかけた時の相手の「声の張り」が違ってきます。
「信頼関係」を築いた頃に、満を持して値引き交渉をしてみましょう。
2.月額○○万円以上買う
相手は「売上げ」を上げたいのです。企業は「利益」よりも、なぜか「売上げ」を一番最
初に見ます。実際、対外的には「売上げ」が前面に出ますからね。
※利益は経費などが差し引かれるのでよく分からなくなります。問屋からの「仕入額」が50万円、100万円と上がってくると、その問屋の営業の方は、社内で「鼻が高い」ということになります。つまり問屋の担当者にとっては、「6掛けで20万円仕入れてもらうよりも、5.5掛けで50万円仕
入れてもらう方が良い」ということです。
「今月は50万円分仕入れるので、5.5掛けにしてもらえないでしょうか?」と
交渉すると上手くいくことが多々あります。
3.メーカー直送
この「メーカー直送」はとても値引き交渉しやすい手法です。問屋からメーカーに発注す
る際に、「指定ロット数」以上だと「メーカー直送」になります。つまり「メーカー」か
ら「あなたのところ」へ問屋を介さずに直送されるのです。問屋は「書類を書くだけ」で
、一番重労働な「納品作業」をしなくて済みます。この「書類を書くだけ」で5%以上儲
かる、これが問屋にとっては一番嬉しいことです。せどりの無在庫転売に似ていますね。
無在庫転売には納品作業が必要ですが、この「メーカー直送」は「書類を書くだけ」で儲
かります。問屋との取引が進み始めたら、ぜひ「メーカー直送ロット」を聞き出し、「指
定数以上仕入れるので掛率を安くしてくれませんか?」と交渉してみましょう。これは案
外簡単に、5%くらい値引いてくれることがあります。
しかしあくまで、「取引が順調に進み始めたら」です。
いきなり「金額交渉」の話を持ち出すのは、あまり印象の良いことではありません。
4.1メーカー大量仕入れ
さらに値引いてもらうための次のステップ
「メーカー直送」は初期段階で値引き交渉をしやすい手法ですが、さらに値引いてもらう
ための次のステップは、「1メーカーで大量仕入れ」です。「1メーカーで月に○○万円以
上仕入れるので安くしてください」という言い方になります。
この「1メーカー大量仕入れ」は、「問屋」がメーカーに値引き交渉しやすいのです。
月に5個しか買わない問屋に対して、メーカーも掛率を落としません。月に100個も200個も買ってくれる問屋には、メーカーも安く売ることができます。これは、私たち小売りと問屋の関係に似ていますね。
私たちも6掛けを5.5掛け、5掛けで買えるようになるということです。
5.競争させる
値引きを持ち掛けてみる
これは「奥の手」というか【最終手段】です。問屋との信頼関係が構築された後にできる
ものですが、せっかく構築した問屋との関係性が崩れる可能性もあります。「競争させる
」とは、「問屋」と「問屋」を競争させるということです。現状6掛けのA問屋に対して、
「新しいB問屋さんは5.5掛けって言ってるんですよね」という風に値引きを持ち掛けます
。A問屋との関係が長く続き「無視できない存在」になったあなたが、「じゃあ、サヨナ
ラ」と言われることはありません。割とすんなり「では5.5掛けでこちらも卸しましょう
」と通ります。
問屋としては「売上げがゼロ」になるよりは「利益率が下がってもこの顧客を維持したい」ので、交渉が成立するのです。
6.番外編 「小さな問屋」
大きな問屋と小さな問屋どちらがいいか?
大きな問屋と小さな問屋、どちらが良いと思いますか?
ます。
理由は、
- 個人や小企業を相手にしてくれる
- 問屋の営業担当者と近い存在でいら
れる - 相手も必死に買ってくれる人を探している
- 価格の決定権を担当者が持っている(
もしくは、上司と近い) - 電話が気楽にできる
- 小さな小売りはそもそも相手にしてくれない
- 営業担当者と顔を合わせることもない
- 掛率交渉しても「社内基準でムリ」で終了
- 発注ロットが多い などで門前払いです。