法律・規約編 2.amazonの規約違反

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2.amazonの規約違反

amazonで販売するうえで、主な違反となる行為を解説します。

amazonの規約違反となる商品や行為

amazonの規約上、FBAで販売できない商品があります。

amazonでは規約違反に対して非常に厳しく対処していますので、
規約の内容をしっかりチェックして、違反行為をしないように努めることが、
amazon物販を長く継続していくために大切なことです。

輸送が規制されている危険物の販売

あまり馴染みがないかもしれませんが、
意外と身近なところに「輸送制限品」が存在します。

amazonのFBAでは、
消防法、国際航空輸送協会(IATA)によって危険物として
輸送が制限されている商品を販売することはできません。

具体例を記載します。

<輸送下制限されている危険物の例>

爆発物・火薬類
花火、クラッカー、発煙筒、爆竹など

引火性ガス
ガスライター、引火性エアゾール、ガスボンベ、カセットコンロ用ガスなど

非引火性ガス
酸素・炭酸・エアガンガス・ヘリウムなどの圧縮ガス、消火器、液体窒素、
ダイビング用ボンベ、ソーダストリームのカートリッジ

引火性液体
オイルライター、ペイント類、ネイルグッズ、香水、接着剤、ガソリンアルコール、
印刷用インク、香料、灯油、アロマオイル、アルコールやグリセリン、
精油などの引火性液体を原料に使用した、消毒液や化粧品、一部のヘアオイル

可燃性物質
マッチ、カルシウム、マグネシウム、着火剤、活性炭、ピンポン玉

毒物類
農薬、バクテリア、ウィルス

放射性物質
ウラン鉱石、イオン化式煙探知機

腐食性物質
カーバッテリー、水銀、硫酸、酢酸、一部の洗剤

その他
エンジン、強い磁石、電動自動車

さらに、身近な商品では、
花火や爆竹、発煙筒、カセットコンロ用ガス、
ソーダストリームのカートリッジ、マッチ、ライター、

意外なところではピンポン玉などがありますが、
これらはFBAでの販売が出来ない商品なので、
価格差があるからといって仕入れないように気をつけてください。

尚、ソーダストリームのカートリッジやポンポン玉などに関しては、
配送業者に中身を正確に伝えることで配送が可能なので、
自己発送での販売は可能です。

ゆうパックに関しては、爆発性のある商品は配送出来ませんので、
ヤマトか佐川急便などの業者に依頼しましょう。

花火や爆竹に関しては、配送には特別な契約が必要になります。
取り扱っているのは主に佐川急便ですが、個人での契約は難しいので、
花火や爆竹の販売は避けた方が無難です。

新品本やCDを定価以外の価格で販売する

本来、独占禁止法では、価格を維持することを強制することを明確に禁止していますが、
例外的に、書籍や雑誌、新聞、レコード盤、音楽用テープ、音楽用CD、
の6品目に限定して、メーカーが定めた価格(定価)の維持(拘束)を認めています。

これを再販制度(再販売価格維持制度)といいます。

この制度を無視してプレ値や割引価格で販売しても違法にはなりませんが、
amazonでは、再販制度に従って定価で販売するよう規約に定めていますので、
違反した場合は、該当商品の出品停止、アカウント停止・閉鎖になる可能性があります。

また、そもそも書店やコンビニ、ネット通販で仕入れた本や雑誌は、
厳密に言えば新品ではなく、古物営業法で言うところの新古品に当たりますので、
新品で出すこと自体が違反行為となります。

出品する場合には「ほぼ新品」もしくは「コレクター商品」の
コンディションで出品するようにしましょう。

中古品であれば価格設定は自由です。

意図的なレビューや高評価を依頼する行為

商品カタログを新規で作成した際、その商品を家族や知人に購入してもらい、
意図的に高評価やレビューをお願いする行為は違反となります。

また、カスタマーレビューに対して報酬を払うことも同様です。

こちらに関しては中華系セラーによる悪質なレビュー行為が
横行したことが発端と言われていますが、
現在amazonで厳しく取り締まっている行為です。

これは推測ではありますが、
AmazonではAIによりレビューした人のパターンなどのデータを蓄積して、
何度も同じ人にお願いしているとかいったことから
違反を判断しているものと思われます。
※実際に警告のメールが来た事例があります。

いずれにしても、意図的なレビューを依頼していることが発覚した場合、
出品商品の削除、あるいは最悪の場合アカウントの停止もあります。

良い商品には自然と評価が集まりますので、意図的な依頼は止めておきましょう。

二重(多重)出品

Amazonでは、同一セラーによる同一商品の二重(多重)出品を禁止しています。

実は、SKUを2つ作って同一商品をFBA納品すれば、
同じセラーが同じカタログ内で2セラー分販売出来ますので、
カート取得率が必然的に上がり商品の販売回転数が上昇します。

これは2つでも3つでも多重に作成できるため、
Amazonではそのような行為を不正として明確に禁止しています。

実際、簡単にできる手法ですが、たいていの場合、
他セラーからAmazonにすぐに通報されますので、絶対にやめましょう。

不適切な価格改定

新型コロナウィルスの影響で、マスクや衛生用品が高額転売されたことに端を発します。

適正価格とは、各種インターネット販売において販売されている相場価格です。

相場価格よりも著しく高い価格で販売する行為をAmazonでは禁止しています。

amazonが価格が高いと判断した場合は、出品停止、商品削除の対象となり、
衛生用品など物によっては販売者としてアカウント停止になる可能性もあります。

メーカー保証が得られない商品の出品

特に家電製品に多いですが、購入者がメーカー保証を求めた際に、
正規の保証ができない商品の出品をAmazonでは禁止しています。

上流(メーカー、問屋)からの仕入れであれば特に問題はありませんが、
例えば知人から未開封・未使用の家電を譲ってもらい、
自分も不要だからと新品で出品したりすると危険です。

購入者が保証を求めてきたときにそれに応じれない場合は、
規約違反でアカウント停止になる恐れがあります。

個人調達商品の出品

こちらはフリマアプリ(メルカリやラクマ)やヤフオクなどで、
個人から仕入れた商品を出品する行為です。

また家族や親せき、知人から譲り受けた場合も同様です。
コンディションに関しては新品、中古、双方禁止されています。

ただし、相手が個人事業主や法人である場合は、
それらを記録して仕入れて販売することは違反ではありません。

インターネット売買の場合は、
古物営業法では仕入先の連絡先や身分確認が必要なため、
実際にはヤフオクなどで相手の身分確認などをせずに、
個人から仕入れて販売すること自体が違反行為となります。

古物営業法についての詳細については、最寄りの警察の古物担当者に確認しましょう。

プロモーション品、プライズ品、おまけ商品の出品

Amazonで新品コンディションとして出品出来ない商品として、
プロモーション品、プライズ品、おまけ商品があります。

プロモーション品とは、販促品とも言いますが、
商品の認知度を上げるために無料で配付されるような商品が該当します。

例えば、トイザらスで何かを購入すると無料でもらえるLEGOや、
無料でもらえるサンプル品のようなものです。

プライズ品とは、ゲームセンターのUFOキャッチャーで取れるような商品や
ガチャガチャで取れる商品が該当します。

おまけ商品は、お菓子などについてくるフィギュアなどの商品や、
ゲームやCDを購入した際に特典として付いてくるポスターや
ポストカードなどのおまけのことです。

こういった商品を新品コンディションで出品することをAmazonでは禁止しています。

実際にゲームセンターで取ったプライズ品を新品コンディションで出品し
アカウント閉鎖となったケースもありますので、
出品する際には中古や、コレクター商品として出品するようにしましょう。

動植物のFBA販売

哺乳類や魚類、植物、昆虫などのFBA販売は禁止されていますが、
意外と注意が必要な商品も中にはあります。

案外、間違えやすい商品の代表例は、
〇〇栽培キットのような植物の種を土に植えて育てたり、
きのこの菌から育てるような商品です。

自己発送出品者などが高利益で販売しているので、仕入れてしまいがちですが、
FBA販売禁止商品に該当しますので、注意してください。

複数の出品用アカウントの運用

amazonでは、複数の出品用アカウントを運用し、維持することを禁止しています。

リスクヘッジのために複数アカウントの運用をしている方もいるかもしれませんが、
正しい知識が無いと、amazonに発覚した場合、
全てのアカウントが停止(閉鎖)になりますので、リスクが高い行為です。

追加のアカウントを必要とするビジネス上の正当な理由がある場合は、
規約の例外適用を申請することが可能ですので、正規の方法で開設、運用しましょう。

複数アカウントの許可が下りる事例としては、
法人や個人事業主で、部門ごとに管理したい場合などが該当します。

食品部門や家電部門など別々に管理することでそれぞれの売上を把握しやすくするためなど、
正当な理由があれば申請することは可能です。

<複数の出品用アカウント運用の申請方法>

1.お問い合わせを開く

2.amazon出品サービスをクリックし、出品用アカウント情報、
上記以外の出品用アカウントに関する問題の順に選択。
追加のアカウントを必要とするビジネス上の正当な理由を添えて申請。
承認を受けるためには、以下の条件を満たす必要あり。

[複数アカウント運営の申請条件]

・各セラーセントラルのアカウントには、異なる銀行口座を登録する必要あり。
・各アカウントには、異なるEメールアドレスを指定する必要があり。
・各アカウントで販売する商品は異なる必要があり。
・パフォーマンス指標が良好である必要あり。
※2020年7月28日現在のルール

申請後、2~3営業日以内にamazonから返信があります。

 

誇大広告

誇大広告とは、購入者に対して、商品やサービスが
実際よりも良いと思わせるような表現が過度に誇張された広告のことです。

amazon販売をしている場合では、
新規カタログ作成時に誇大広告により商品カタログが削除されたり、
場合によっては罰せられる可能性があります。

<誇大広告の例>

・効果を断定、担保するような表現
必ず痩せます、コロナに効きます、癌が直りますなど。

・永続的な表現
一生使えます、など。

・不特定多数が高価を望める表現
誰でも痩せることが出来ます、など。

・科学的根拠のない表現
飲めば痩せる魔法の水、など。

・実績のない最上級の表現
日本一美味しいお茶です、など。

こうした誇大広告を行うことにより、
Amazonにカタログを削除されただけならいいですが、
最悪の場合罰則を受けることがあります。

<誇大広告に関する罰則>

・景品表示法違反

措置命令(再発防止策や消費者への周知、違反行為を差し止めるための必要な措置)
があり、それに従わなかった場合には、最大2年の懲役、最大300万円の罰金の両方または
いずれかが科せられる可能性があります。また行為者とは別に事業者に対して、
最大3億円の罰金が科せられる可能性があります。

・健康増進法違反
商品カタログに記載されていた内容が誇大広告に該当する場合、
消費者庁から是正勧告を受けることがあり、その場合その情報が公開されることになります。
また消費者庁からの勧告に対して、正当な理由なく従わなかった場合には、
最大6か月の懲役、最大100万円の罰金のいずれかを科せられる可能性があります。

・薬機法違反
薬機法では、医療品や健康食品などについて、虚偽・誇大広告を禁止しています。
万が一違反した場合、措置命令や勧告などはなく、刑事罰に問われることとなります。
その際、最大2年の懲役、最大200万円の罰金のいずれか、
またはその両方を科せられる可能性があります。

以上のように、たとえ意図しなくてやったことであっても、
最悪の場合、大きく社会的信用を無くすような結果が訪れることも可能性としては
十分にありますので、十分に気を付けるようにしてください。